我が家にも欲しい土間、現代の住まいでの土間の役割やメリット



伝統的な土間の役割

 

 

もう若い人には「土間」という言葉があまりピンとこないかもしれませんが、昔の特に田舎の家には必ず土間があったものです。まさに外と地続きで、いろいろな道具を置いたり、作業をしたり、家によってはそこが台所だったりしました。

 

こうした土間ですが、伝統的な日本建築での家屋内の一部となっていました。民家や納屋の屋内には特徴がありました。まず、人間の生活面が柱によって地面より高い所につくられ、木の板などが敷かれた床が敷かれた部分があり、これとは別に地面と同じ高さの部分に土間がありました。これらは明確に分けられていました。

 

日本の民家は古くから、柱に支えられた高床式の床敷き部分と、土間の部分がほぼ対等な存在となっていて、二つの要素は一つの基本的に建築物として結合していました。土間の仕上げには、漆喰を塗り固めた三和土、珪藻土、コンクリートなどが用いられました。

 

土間は地面とほぼ同じ高さというのが大きな特徴で、必ず、廊下、居間、寝室など他の部屋より一段低くなっています。屋外との連絡をするために大きく開く扉ないし引き戸が必ず設けられ、人が出入りするようになっています。現在でも縮小化されたものが同じように呼ばれています。

 

しかし、本来はあくまでも地面と同じ扱いの屋内の部屋という位置づけで、旧家などに伝統的な形態のものがまだまだ多く保存されています。現代では、単なる屋外と屋内の境にある玄関の狭小な空間が土間とされており、ただ靴を脱ぐための場所と位置付けられてしまっている向きもあります。

 

土間の伝統的な重要機能だった生業の作業空間という要素は、既に排除されてしまっています。こうしてみると土間は過去の遺物のようにも思えますが、最近この土間は見直されてきているのです。